私の日記

誰にも読まれないことが好ましい。LINEの投稿を非公開にして色々書いていたけど惨めな気持ちになってしまったので移行、見てもいいけど見られないことが好ましい。

爪が弱い、めちゃくちゃ弱い、すぐにぐにゃぐにゃ曲がってしまうしすぐ2枚に割れる。なのでネイルが欠かせない。

夜1人でYouTubeとかを見ながらネイルを重ねる

丁寧に丁寧に、重ねて重ねて乾かして

でも次の日風呂に入るとすぐに取れる、何がダメなのか分からないけどそういうものだと思っているから、風呂から上がるとネイルを落としてまた重ねる

ネイルサロンも考えたけどずっと同じ爪というのが飽き性の私には耐えられないので結局夜塗り直す

その時間が結構すき

人生はネイルではないけど、でも似ているとは思う

丁寧に重ねて綺麗な爪が出来上がっても日常に壊されてまたやり直し

固く強く美しくあろうと強度を重ねても、重ねても、落ちる、めくれる、はげていく

その時間は好きだけど虚無感はある。さっきまであんなに綺麗だったのにと思いながらそれでもまたYouTubeを見て重ねる

段々風呂に入る事が怖くなる

そうして私の生活も崩れていく

人生の強度を上げたい

そもそも強い爪だったら良かったのにとも思うけどそれはもうないものねだりなのは既に理解していて

なら爪なんて伸ばさなければいいじゃない、と言われても私が爪を伸ばして指先だけでも美しくありたいと思う事を否定されたくはない

何年か前、夜行バスを待っていた。

東京に行く為に夜行バスに乗ろうと待合所に行った時母にそこまで送って貰ったことがある。

その時母がふと私の爪を褒めた

「綺麗な爪の形しているね」

話すことがなかったのか突然言われたが、私はそれが嬉しくて、爪を見る度に思い出す。

私の爪は美しいのだと

他に自分の美しいところが分からない、母にすら私の爪以外に美しい所が分からないのだなとも思い出す。

そう言えば髪も褒めてもらった事がある、綺麗な黒髪だねと、艶があってコシがあってしなやかだね、と

でもそれは数ヶ月前髪を染めてしまったので死んだ。今は謎の自意識が出た汚らしい髪になっている。染めなければよかった、と何度か考えたがもう仕方がないのだとも思っている

私の爪は美しい、私の爪は美しい、そう思っているといつの間にか他人の爪の形を気にするようになっていた

あの人は指は綺麗だけど爪の形が平べったいわ、と、あの人の手は色が白いけど爪は整えられていなくてそれほど綺麗じゃない、と

私だってネイルをしていなければ弱くてすぐに割れる汚い爪なのに

だからせめて爪だけでも美しくありたいと願っている。偽物の美しさでも、形だけは本物だからと誤魔化し誤魔化し、街ですれ違いざまに私のような人間に汚い爪だと思われないように。