三日間
何ヶ月も精神的に死にながら生きてた、どうやって終わろうかとか、準備とかひたすら頭の中でぐるぐる考えながら生きてた
四日前友達とカラオケに集まって映画見たり歌ったりしながら遊ぶ準備した、三日前別の友達とサイゼでご飯食べてからセブンイレブンで令和って書かれた意味わからんでかいチョコパフェ買って家でスマブラしながら食べた、二日前カラオケに行った子と準備してたもので遊んでご飯食べて買い物した
相変わらず寝れてなかった、1時に寝るのに5時に目が覚めるみたいなそんな生活、それでも三日間楽しかった、眠い~って言いながらそれでも笑って歩いてた、今日はいつも通りの生活に戻っちゃったけど、それでも良い三日間だった
友達とゲームしながらお菓子食べるのが夢だった、友達と新しいことするのが大好きで夢だった、沢山かなった、これが幸福か、いいなって思った
良い三日間だった
おわり
光速で消え去る悪いもの
思考に意識が追いついていないなと常々思う
私の脳内を除くイメージは大きめのスクリーンにニコニコ動画のコメントみたいに思考が通っていったりする感じなのだけれど
好きな物のこと考えてても思考がビュンビュンと頭の中を通り過ぎて言ってコメント読めないし訳分からん内に謎な結論が出て「ああなるほど」と理解するみたいな感じで、人に「なんでそんな結論になったの?!」って聞かれても自分でもよく分かってない
悪い事を考える時も同じ
よく分からない理由とか思考が頭の中をビュンビュン飛んで意味わかんない結論にたどり着く
だからなぜそんな結論に至ったのか、どこから悪い方向に走り出したのかなんてもう分からなくて結論だけが画面にコロンと転がっている
だから何が言いたいかって言うと自分でもよく分かってないんだからもう責めないで欲しいって事
私だって辛いこと考えたくないし自分のことぐらい自分でコントロールしたいけどそれがもう出来ないのに責められても、自分がしていない悪事で怒られる位の感覚に近いんだから大きな声を出さないでほしいし私に理由を求めないでほしい
おわり
ヤレる
少し前の話
美容室に行った、母の最近のお気に入りの美容室、前行った店のカラーが酷くて治してもらいなと紹介してもらって、担当も母と同じ人にしてもらった
陽気な男の人だった、髪にパーマをあてていて、あっけらかんとハキハキと、プライドの高さが隠しきれない話し方をする人だった
人見知りの私は相手に話してもらえれば平均的な会話くらいは出来るので助かった
映画の話をした、最近好きな映画、彼はノーカントリーが良いから見てくれと言っていた
突然、話は母の話になった
彼は言った「sさん(私)のお母さんすごく綺麗な人ですよね」と彼は言った
私の母は美しい人で、初対面の人には必ず5歳若く見られて、本人はそれをとても喜んでいる可愛い人、最近は10歳若く見られだした、年齢が止まっているのか?とにかく綺麗な人だ、私もそう思っているし美しい母は私の自慢でもあった
私は「そうですよね、あの人すごく綺麗ですよね」と言った
彼は、続けて言った「僕もうすぐ30ですけど20代なんですよ、でも正直お母さんイケます笑」と
イケます
イケますとはどういう事だろう、一瞬わけが分からなくなった
そして直ぐに「ヤレる」という意味だと分かった
私は何も言えなくなってしまった
昼間の、他にも美容師さんやお客さんが大勢いるそんな場で、恥じることもなく声を潜めることも無く、彼は私の母を性的な目で見ることができる、と宣言したのだ
何を、言っているのだろう、本当に、私は、なんて返せば
分からなくなった
分からず、何も考えがまとまらず、私はただ「ハハッ」と短く笑うことしか出来なかった、それからはもうその「イケます」が私の頭の中を支配して施術中も髪を洗っている間も、ずっとその事ばかりを考えてしまっていた、なぜ言ったのかとか、なぜ今?とか、そういう考えるではなく、ただひたすら頭の中に「イケます」という言葉だけが何度も何度も繰り返し反響し、消え、また現れて反響し、何かの結論が出るでもなくただ呆然とその事に頭を支配された
仕上がりは良かった、美しい色に仕上げて貰うことができた
会計時「これ、1ヶ月以内に来たら全部半額になるんで、また来てくださいね」といわれクーポンを受け取った。私は「え~すごい、ありがとうございます~」と言いながら、それでもまだ頭の中は彼のイケますに支配されていた
美容室から家までは自転車で10分、私はノロノロと自転車に乗りながら高校時代にやっていたアルバイトの事を思い出した
当時私は飲食店のキッチンでアルバイトをしていて、職場の皆は仲のいい、今思えば良い職場だった。
夜の営業が始まるからと仕込みをしていた、何をしていたのかは忘れたが、その場には私と社員の2人だった。その社員は20代前半で常にアルコールが入っているのではと言われていて本人もここ数ヶ月素面になってないと笑っているような人だった、大人や働く人間としてはどうかと思うが私は友達のような感じがして嫌いではなかった。
私が仕込みをしていると彼は「そう言えばsさんのお母さんって綺麗だよね」と言った、私は「綺麗ですよね、私もそう思います」と返した
彼は笑いながら「紹介してよ!」と言った、当時は意味もわからず、紹介?職場の上司としてかな?と思って「わかりました」と答えたが家に帰る途中で「そういう意味」だと気づいて気持ちが悪くなった、以前も書いたが私の母はシングルマザーで、そういった話は冗談では済まされない程のリアリティーがあったからだ
数週間後、その社員とまた2人になった時「そう言えばお母さん、いつ紹介してくれるの」と言ってきた、てっきりもう忘れたものだと思っていたので少し動揺したが、きちんと伝えなければと思って「うち片親なんですよ」と言った、だからそんなリアリティーのある気持ちの悪い話はやめてくれ、と、すると彼は笑いながら「あ、そうなの?リアリティーありすぎた?」と笑いながら、流した、しかしそれから彼は何度か母を紹介してくれ、と言ってきた、もう私には意味がわからなくて、冗談として面白として言っているのか、本気なのか、もう分からなくなって、そして、他の色々な要因や学校の事や人間関係で病んでしまいバイトをやめた
その事を帰りの自転車に乗りながら思い出していた
こんなに綺麗に染めてもらって嬉しい、という感情は、彼の「イケます」によって殺された
半額券をどうするか悩んで、さすがにもう言われることはないだろう、あれは話のとっかかりが欲しくて色々話したうちのひとつに違いない、いやきっとそうだ、そうであってくれ、と思うことにして、1ヶ月後に予約を入れた
そして彼はまた言ったのだった
「綺麗ですよね」「イケます」「誘おっかな」「あれ?これって気持ち悪いですかね?笑」
もう、私の心は折れてしまった
髪を染められていて動けなかったが、すぐにでもここを出て帰りたいと思った、何をこの男は笑っているんだ、なぜそんな恥知らずな事が言えてしまうんだ、腹が立つよりも虚しかった、もういい、もう、どうでもいい、そう思うと同時にどうでもいいと適当に何となく振り上げた包丁がこいつの首に刺さればいいとも思った
あれから1ヶ月、もうあの美容室には行ってはいない
元の店に戻ろう、そうだ、元の店の担当の女の人はあんなこと言わなかった、それにカットは別格に上手いのだ、1度切ってもらえば数ヶ月は行かなくても美しい状態でいられる、すごい美容師なのだ、なのに何故私は、いやもうやめておこう、悲しくなるだけだから
いつもの美容室に予約をいれよう、きっと綺麗にしてくれる、そうして私は美しい髪を手に入れるのだ、悪い言葉で染められた美しさなんて比にならない、楽しさだけで切りそろえられた髪を、私は
傷付ける
昔病院に通っていた時に担当の先生が別の病院に移ることになった
最後の問診の日
「初めてここに来た時アナタこうだったね~」「え~そんなことないですよ~」なんて笑って問診してもらってた
時間が来た、じゃあこれで、と立ち上がると先生は「ねえ」と言った
私が先生の顔を見ると先生は「一つだけ約束して」と言った「何をですか」と聞くと「絶対に自分を傷付けないで生きてね」と言った「難しいけど守れるかな?」と
体も心も傷付けずに生きろ、私は「わかりました」と言いそれが先生との最後の言葉になった
幸い自分の体を傷付けることなく生きてこれた、悲しくなっても自分の体には当たらないように、他に目を向けて先生との約束を守って生きてきた
でも心は、ダメだった
毎日つまらない事で傷付いて悲しくなる、生きる才能がない
どうなっているんだ、これじゃいくら体を傷付けずに生きられたとしても心はもう死んでしまう、それでも、私は生きるしかないのか
体を殺してしまう程心を傷付けるながらそれでも生きなければならないのか
生きることこそが正義だと言う「行きたくても生きられない人もいる」じゃあ私の死にたさはなぜ尊重されないんだ、死にたいのに生きることを義務付けられる私の、立場は、もうないのか
ここは断崖絶壁だ、生きろ生きろと迫ってくる世間に嫌だ嫌だと後退りをする私、きっとこのままでは海に落ちてしまう
延命治療がある、本人の意思が分からなく家族に判断を迫るのだという、もちろん家族は愛があるので延命治療を頼むのだそうだ、そして、管に繋がれ、自意識があるかどうかのその人をただ見つめる、本人に意思さえあれば、伝える方法さえあれば
私には意識があり伝えられる、死にたいと、それなのに何故生きることを強要されるのか
話を聞いて欲しいだけなのに死なないで、と言われる事は分かっていて誰にも言えず、結局私は今月死ぬ
死を語ることがタブーでなければ救われた人間もいくらかは居たはずだ
早く安楽死の制度を導入して欲しい、楽して死にたい訳でなく、死という選択肢を人生のポイントとして設置しておいて欲しい
きっと「まあダメでも死ねるし」と思えて救われる人もいるとは思う
なんて事を考えながら今日も部屋の掃除は進まず、あれやこれやと母の世話をやき「これで最後だから」と1人で満足感に浸ることしか出来なかった
もう本なんて、売れなくてもいいような気がしている、この部屋の壁が防火壁ならこの部屋に日を放ってしまえるのに、そう思いながら準備のことを考えて、写真取らなくちゃ、盛れたやつ、とか、手紙書かなくちゃ、とかグループ展やった時のデータをチームの子に送って使って貰えるようにしなきゃとか、死ぬのも楽じゃないんだなと感じ、今日も寝る
恨まれることも憎まれることも悲しませることも全部分かってるけど、それでも私はもう限界だ
これ以上私は私を背負って生きては行けない、誰かに背負ってもらうつもりもない
だから決断しただけだ
掃除
多分私は、ただ一言「どうしたの?」と聞いて欲しいだけなんだ
そうしたら私は「なんでもないよ、ただちょっと疲れただけなんだ」と返し「そうなんだね、大切に生きてね」と言われれば、あとは生きられると思うんだ
ただそれだけが貰えないので私はこんなにもつまらないことで気持ちが悪くなって、何も言えずに布団に入って今日を終わらせようとしてしまう。なんて弱い生き物なんだ、こんな事でこんな気持ちになんてなりたくない
優しさを振りまいても私の不手際で全てが壊れてまた優しくして取り戻そうとする、こんなこと馬鹿げてるって分かっているけどそれ以外に方法が分からない
私の優しさ10よりも今まで積み重なった1の大きさが相手にはあって、その瞬間は1のはずなのに相手は100だと思うのか、そうなんだろう
蓄積なんて0になればいいと思っていても手遅れなのは分かってる、なら私は、償いの10000で許されるしかないのではと、私は
疲れている、疲れているからこんな事を思うし、してしまう、そんな気の迷いとも言うべきソレが今までの全てを殺す
疲れていてメール返せなくてそのままズルズル返せなくて3ヶ月、心配してるであろうLINEを返さず1週間、考えながらとぼとぼと歩いているうちに全く違う場所に行ってしまいそのままバイトをやめたのは3年前、相手の言ってる意味が分からず病院に通うのをやめたのはもう何年前だろう、バイト、塾、ピアノ、ボウイスカウト、中学校、習字、そろばん、バレエ、通信教育、スイミング、何もかも
いつもそうやって自分で自分の首をしめて自分で自分の居場所を燃やし続けてきた
もう私にはこの部屋しか、この汚い部屋の中にある3分の1を折り込んだ狭いシングルの敷布団の上にしか居場所がないのだと感じる
早くいなくなくなりたい、早く、早く、もう疲れた、毎日元気だった日なんて思い出せない
今の自我が芽生えた頃からはもう、無いんじゃ、学校、大学の頃はまだマシだった、でもそこももう燃やしてしまった
早くこの部屋を片付けて、綺麗に、早くして、そして消えたい、煩わしい奴だと、厄介な奴だと、これ以上思われたくはないのだから
爪
爪が弱い、めちゃくちゃ弱い、すぐにぐにゃぐにゃ曲がってしまうしすぐ2枚に割れる。なのでネイルが欠かせない。
夜1人でYouTubeとかを見ながらネイルを重ねる
丁寧に丁寧に、重ねて重ねて乾かして
でも次の日風呂に入るとすぐに取れる、何がダメなのか分からないけどそういうものだと思っているから、風呂から上がるとネイルを落としてまた重ねる
ネイルサロンも考えたけどずっと同じ爪というのが飽き性の私には耐えられないので結局夜塗り直す
その時間が結構すき
人生はネイルではないけど、でも似ているとは思う
丁寧に重ねて綺麗な爪が出来上がっても日常に壊されてまたやり直し
固く強く美しくあろうと強度を重ねても、重ねても、落ちる、めくれる、はげていく
その時間は好きだけど虚無感はある。さっきまであんなに綺麗だったのにと思いながらそれでもまたYouTubeを見て重ねる
段々風呂に入る事が怖くなる
そうして私の生活も崩れていく
人生の強度を上げたい
そもそも強い爪だったら良かったのにとも思うけどそれはもうないものねだりなのは既に理解していて
なら爪なんて伸ばさなければいいじゃない、と言われても私が爪を伸ばして指先だけでも美しくありたいと思う事を否定されたくはない
何年か前、夜行バスを待っていた。
東京に行く為に夜行バスに乗ろうと待合所に行った時母にそこまで送って貰ったことがある。
その時母がふと私の爪を褒めた
「綺麗な爪の形しているね」
話すことがなかったのか突然言われたが、私はそれが嬉しくて、爪を見る度に思い出す。
私の爪は美しいのだと
他に自分の美しいところが分からない、母にすら私の爪以外に美しい所が分からないのだなとも思い出す。
そう言えば髪も褒めてもらった事がある、綺麗な黒髪だねと、艶があってコシがあってしなやかだね、と
でもそれは数ヶ月前髪を染めてしまったので死んだ。今は謎の自意識が出た汚らしい髪になっている。染めなければよかった、と何度か考えたがもう仕方がないのだとも思っている
私の爪は美しい、私の爪は美しい、そう思っているといつの間にか他人の爪の形を気にするようになっていた
あの人は指は綺麗だけど爪の形が平べったいわ、と、あの人の手は色が白いけど爪は整えられていなくてそれほど綺麗じゃない、と
私だってネイルをしていなければ弱くてすぐに割れる汚い爪なのに
だからせめて爪だけでも美しくありたいと願っている。偽物の美しさでも、形だけは本物だからと誤魔化し誤魔化し、街ですれ違いざまに私のような人間に汚い爪だと思われないように。
母への喜び
母が遊びに行くようになった
私が幼い頃離婚して、ずっと必死に私たち兄弟の為に働いて生きてきてた母が最近少しだけだが遊びに行くようになった。とても嬉しい。
この前は突然「今日飲みに行く!」と連絡してきて12時くらいに帰ってきた、それがわたしはとても嬉しい。
ずっとそうやって生きて欲しいと願っていた
将来何したい?って聞くとお前達が独り立ちしたら癌で死にたいと言っていた、それがずっと悲しかった。
幼い頃ダメな親で申し訳ないと私に笑いながら言ってきたことがあった
私が不登校になって1人で家にいたら「仕事を辞めてお前と一緒にいる」と言い本当に仕事を辞めたことがあった
自分ではダメなのかもしれないと思い、車の中で小さな声で父方のおばあちゃんと一緒に暮らすかと聞いてきたことがあった
今までの私の全てをひっくるめて、思い出せるほど悲しかった事はその3つ
楽しく生きて欲しいとずっと思っていた
私のせいというのは分かっているが、そんなこと気にして欲しくなかった
面白くて嬉しくて笑ったのは、離婚してすぐヤケになって50万の化粧品のセットを契約したこと(未だにそれは定期的に届く)
夜遅くになると「お母さん」から「たえちゃん」になって、お母さんと呼んでも返事せずに「たえちゃん」と呼ぶと返事する、理由は「今は親ではなく友達の時間だから」そんな母が愛おしく感じた
疲れて帰ってきて晩御飯を作るのがしんどい時「今日はお菓子パーティーをしよう」とスーパーに行き好きなだけお菓子やジュースをカゴに詰めてテレビや映画を見ながらお菓子を食べた、そんな考え方のできる母が可愛いと思った
もっと遊びに行って欲しい、楽しく生きれる素質があるのに、そう生きない母が悲しかった
私には才能がない。楽しんで生きる才能がない
生活のせいだとは思わない、育てられ方のせいとも環境のせいだとも思わない。ただ私が見て聞いたものを受け取った時、私の中の才能のなさが悲観的にさせるだけで、何一つとしてあの人のせいではない。だから私が悲観的な人間であることを悲しまないでほしい、これはただ私の性格と言うだけの話であって、母には落ち度なんて全く、私の中の細胞一つ分もないのだから。
だからこれからもそんな風に生きてほしい
煩わしい生活はそれとして受け止め、楽しみを追求してほしい。
母は私と違って美しい人だ、中も外も美しい。私はそれが何故だか誇らしい。そんな母を愛しているのだから、これからも美しくあって欲しいと願っている。
おわり